「樹木葬に興味はあるけれど、パンフレットによって金額の幅が大きく、結局いくら用意すればいいのか分からない」という方は少なくありません。樹木葬は一般墓に比べて費用を抑えられると言われる一方、タイプによって料金が数倍違うため、比較のしかたに迷いやすいのが実情です。

結論として、樹木葬の費用はご遺骨をどう埋葬するか(個別・集合・合祀)によって大きく変わり、同じタイプでも霊園の立地や運営元で金額に幅があります。この記事では、タイプ別の費用目安と、内訳ごとに確認しておきたいポイントを整理します。

樹木葬の費用相場は63.7万円が目安とされている

業界団体の調査によると、樹木葬全体の費用相場は63.7万円とされています(2024年調査・n=1,620件)。ただし、これはあくまで全体の平均であり、埋葬のタイプによって実際の金額は5万円台から150万円程度まで大きな幅があります。総額を把握するには、まずどのタイプの樹木葬を検討しているかを決めることが出発点になります。

埋葬タイプ別の費用目安

樹木葬は「個別埋葬型」「集合埋葬型」「合祀型」の3タイプに大きく分けられ、それぞれ費用相場が異なります。

個別埋葬型(最も費用がかかる)

一人ひとり、または一家族ごとに個別の埋葬スペースを設けるタイプです。樹木や草花、プレートなどのシンボルを個別に設置できる分、費用相場は50万円〜150万円程度と3タイプの中で最も高くなります。個別のスペースを長く維持したい場合に選ばれる傾向があります。

集合埋葬型(個別と合祀の中間)

骨壺や骨袋のまま、大きな区画に他の人と一緒に埋葬するタイプです。個別のスペースはありませんが、遺骨自体は他の人と混ざらない点が合祀型との違いです。費用相場は20万円〜60万円程度とされています。

合祀型(最も費用を抑えられる)

骨壺から遺骨を取り出し、他の人の遺骨と区別せずに埋葬するタイプです。個別のスペースを持たない分、費用相場は5万円〜20万円程度と最も安価です。一度合祀すると遺骨を個別に取り出せなくなる点は、選ぶ前に確認しておく必要があります。

費用の内訳を項目ごとに確認する

樹木葬の費用は、初期費用と年間管理料に分けて考えると内訳が把握しやすくなります。

永代使用料・永代供養料(費用の中心)

樹木葬の費用のうち、最も金額の比重が大きいのが永代使用料・永代供養料です。合祀型で5万円〜20万円、個別型で15万円〜80万円程度と、タイプによって差が大きい項目です。契約時に一括払いが基本ですが、霊園によっては分割払いに対応している場合もあります。

埋葬料・銘板彫刻料(追加費用になりやすい項目)

遺骨を埋葬する際の埋葬料は1万円〜3万円程度、プレートや銘板に名前を彫刻する費用は1万円〜20万円程度と、パンフレットの基本料金に含まれていないことがある項目です。見積もりを取る際は、これらが基本料金に含まれているかを確認すると、総額の見誤りを防げます。

年間管理料(毎年かかる費用)

区画の維持管理にかかる費用で、年間2,000円〜25,000円程度と運営元によって幅があります。公営霊園は比較的安く、寺院運営は高めになる傾向があります。ただし、合祀型では契約時に永代分の管理費用が含まれ、年間管理料が発生しない霊園もあるため、契約前に確認しておくと安心です。

立地や運営元によっても費用は変わる

同じタイプの樹木葬でも、霊園の立地や運営元(公営・民営・寺院)によって金額の傾向が異なります。

公営霊園は比較的費用を抑えやすい

自治体が運営する公営霊園の樹木葬は、永代使用料・年間管理料ともに民営や寺院運営に比べて低めに設定されている傾向があります。ただし、公営霊園は応募倍率が高く、居住地の条件(その自治体に一定期間以上住んでいることなど)が設けられている場合があるため、応募資格を事前に確認しておく必要があります。

都市部と郊外で費用の傾向が異なる

都市部にアクセスのよい樹木葬は、郊外の霊園に比べて永代使用料が高めになる傾向があります。一方で、お参りのしやすさを重視する場合はアクセスも重要な判断材料になるため、費用と利便性のバランスを見ながら候補地を絞り込むとよいでしょう。

タイプを選ぶときに確認したいこと

費用だけでなく、お参りのしやすさや将来の管理方法も合わせて確認すると、後悔しにくい選択につながります。

お参りのしやすさ

個別型はシンボルとなる樹木や墓標がある分、お参りする場所が分かりやすいという特徴があります。合祀型は象徴となる場所が共有のシンボルツリーなどになることが多く、個別のお参りのイメージと異なる場合があるため、見学時に実際の区画を確認しておくとイメージのずれを防げます。

永代供養との違いを理解しておく

樹木葬は埋葬方法の名称で、永代供養は管理・供養の仕組みの名称という違いがあります。樹木葬の多くは永代供養付きですが、必ずしもすべてがそうとは限りません。両者の違いは樹木葬と永代供養の違いで詳しく解説しています。

樹木葬のデメリットや確認点は樹木葬の後悔とデメリットに、納骨堂という選択肢は納骨堂の費用に、墓じまい後の改葬先としての費用は墓じまい後の永代供養の費用にまとめています。

よくある質問

樹木葬は一般墓よりどのくらい安くなりますか

一般墓の墓石購入・工事費用が数十万円から百万円以上かかるのに対し、樹木葬は合祀型であれば数万円から始められる場合があります。ただしタイプによって幅が大きいため、単純比較ではなく、検討しているタイプ同士で見積もりを揃えて比べることをおすすめします。

年間管理料はどのタイプでも必要ですか

霊園やタイプによって異なります。合祀型では永代分の管理費が契約時の費用に含まれ、年間管理料が別途発生しない場合もあります。契約前に年間管理料の有無と金額を確認してください。

一度合祀すると遺骨は取り出せませんか

合祀型は他の人の遺骨と混ざる埋葬方法のため、埋葬後に個別に取り出すことは基本的にできないとされています。将来的に改葬や分骨を考えている場合は、個別型や集合型を検討し、契約前に霊園へ取り出しの可否を確認しておくと安心です。


本記事に記載の費用相場は、2026年9月時点で公開されている調査データ・情報をもとにした目安であり、実際の金額は霊園・寺院・事業者によって異なります。個別の契約内容については、見学・見積もりの際に運営元へ直接ご確認ください。