合祀墓とは何か、合葬墓や永代供養墓とどう違うのかを知りたい方に向けて、言葉の整理と選ぶ前の注意点をまとめました。合祀は、遺骨を他の人の遺骨と一緒にして納める埋葬方法です。納めたあとに遺骨を取り出せない点が、いちばん大きな注意点になります。永代供養墓は供養の仕組みを指す言葉で、合祀とは別の軸です。解説記事と、東京都・広島市の令和8年度の公表内容をもとに、用語の違いから公営の探し方、費用の例まで確認できます。

合祀墓とは、どのような形で遺骨を納めるお墓ですか

合祀墓は、遺骨を他の人の遺骨と一緒に納めるお墓です。ALSOKの解説では、合祀を「遺骨を他の人の遺骨と一緒にする埋葬方法」と説明しています。行政書士法人Treeの解説は、費用の表で「合祀墓(合葬墓)」とまとめて紹介しています。

場所の形は、ALSOKの解説によると、慰霊碑、樹木葬、納骨堂、区画型の4種類があります。納め方には2通りあり、最初から他の遺骨と一緒に納める方法と、一定期間は骨壺のまま個別に安置してから合祀する方法です。

合葬墓・共同埋蔵・永代供養墓は、言葉がどう違いますか

いちばん混ざりやすいのは「合祀」と「合葬」です。ALSOKの解説は、二つは同じ意味で使われることも多いものの、厳密には違うと説明しています。

呼び名主な意味出典での扱い
合祀遺骨を他の人の遺骨と一緒にして納めるALSOK
合葬遺骨を混ぜず、共同の安置スペースで供養する。骨壺のまま納めるのが一般的で、個別に取り出せるALSOK
合祀墓(合葬墓)他の遺骨と合同で埋葬する、最も安価な型Tree
永代供養(墓)寺院や霊園が遺骨の管理と供養を続ける仕組みALSOK、Tree
共同埋蔵東京都が都立霊園の合葬埋蔵施設で使う呼び名東京都

同じ「合葬」でも、混ぜない納め方を指す解説と、合祀墓の別名として並べる解説があります。自治体の「合葬墓」も、名前だけでは納め方が決まりません。広島市の合葬墓では、遺骨を骨壺から出して市が用意した袋に移して埋蔵します。

永代供養は、納め方ではなく管理の仕組みを指す言葉です。ALSOKの解説も、埋葬方法ではないと整理しています。

パンフレットで呼び名が違っていても、次の二つを聞けば、中身が見えてきます。これは公式の定義ではなく、実務上の確かめ方です。

  1. 遺骨は骨壺のまま納めるのか、骨壺から出して他の方の遺骨と一緒にするのか
  2. 納めたあとに、遺骨を取り出せるのか

永代供養の種類を樹木葬と並べて知りたい方は、樹木葬と永代供養の違いで整理しています。

合祀にすると、後から何ができなくなりますか

合祀後にできなくなるのは、遺骨を取り出すことです。Treeの解説は、合祀後は分骨、改葬、返還のいずれもできないとしています。分骨を希望する場合は、合祀の前に確認が必要です。

取り出せなくなるもの

分骨、別のお墓への改葬、遺骨の返還が、いずれもできなくなります。広島市の合葬墓も、受け付けた遺骨は返還も改葬もできないと案内しています。使用料も、納めたあとに還付されません。後悔につながりやすい点は、永代供養で後悔しないためににまとめています。

個別に安置される期間があるタイプ

最初は個別、期間が過ぎたら合祀というタイプなら、期間中は遺骨を取り出して改葬できるとALSOKの解説は述べています。期間の目安として、Treeの解説は13回忌、17回忌、33回忌を挙げ、33回忌は満32年で数えるとしています。

東京都の令和8年度の募集にも同じ仕組みがあります。「一定期間後共同埋蔵」は、使用許可日から20年間は個別に保管し、その後に共同埋蔵する方式です。

既存のお墓から移すとき

すでにあるお墓の遺骨を合祀にする場合は、墓じまいと改葬の手続きが必要で、その費用もかかるとALSOKの解説は述べています。撤去費用を含めた全体は、墓じまい後の永代供養の費用で確認できます。

分骨したい方は、合祀の前に済ませてください。手元に置く方法は手元供養のやり方にあります。

公営の合葬墓は、どうやって探して申し込みますか

公営の合葬墓は、自治体や公園協会が募集します。探し方は、「市区町村名 合葬墓」や「合葬式墓地 募集」で検索し、墓地や霊園を担当する課のページを開く方法です。都立霊園なら、東京都の報道発表に募集の一覧が載ります。検索の手順は、実務上の探し方です。

募集期間と申込資格は自治体と年度で違います。令和8年度の2例です。

自治体募集期間申込資格(主なもの)使用料(遺骨1体)
東京都(多磨霊園・小平霊園2号基)2026年6月12日〜7月3日都内に3年以上継続して居住多磨61,000円、小平58,000円
広島市(高天原墓園)第1期 2026年5月1日〜6月30日、第2期 11月2日〜12月28日(必着)市内に住む方が遺骨を持っている場合など5万円(管理料を含む)

多磨霊園は20年間の個別保管のあとに共同埋蔵、小平霊園の2号基は納骨時にすぐ共同埋蔵する方式です。居住年数は2026年7月3日時点で数えます。

広島市の案内には、納骨は許可を受けてから1年以内に行うこと、生前の申込は受け付けないことも載っています。

都立霊園で返還や分骨を考える方は、申込みのしおりを読むか、東京都公園協会の霊園課に確かめてください。広島市の第2期は11月2日に受付が始まります。お住まいの自治体の条件は、公式ページで確かめてください。

合祀墓の費用は、公営と民間でどのくらい違いますか

民間の合祀墓の費用は、解説記事ごとに幅があります。Treeの解説(2026年5月23日更新)は、合祀墓(合葬墓)を5万〜30万円としています。ALSOKの解説は約3万〜30万円とし、内訳を永代供養料、納骨料、彫刻料の3つとしています。

公営は、東京都の令和8年度の募集で、八柱霊園の直接共同埋蔵が53,000円、一定期間後に共同埋蔵が131,000円です。同じ霊園でも、個別に保管する期間がつくと使用料は上がります。広島市は1体5万円です。

公営は金額が明確ですが、居住年数などの申込資格と募集時期があります。民間は、見積書で永代供養料と納骨料と彫刻料がそれぞれ入っているかを確かめてください。

ここに挙げた金額は解説記事や自治体の公表額で、実際の契約額ではありません。

合祀が向く人と、個別に安置したほうがよい人は誰ですか

合祀に向くのは、遺骨を後から動かす予定がなく、費用や管理の負担を軽くしたい方です。ALSOKの解説は、お墓を引き継ぐ人がいないケースも挙げています。

寺院の境内の石畳の先に小さな供養塔と献花台がある様子

個別に安置するタイプが合うのは、将来改葬する可能性がある方、家族の気持ちが決まりきっていない方、遺骨の一部を手元に残したい方です。骨壺のまま一定期間は個別に安置するプランなら、期間中は遺骨を取り出せます。合祀の時期は、契約書か使用規則で確かめてください。

宗派や条件は、寺院や霊園、自治体ごとに違います。この記事の期間や金額は、2026年10月時点の例です。契約先の書面を手元で読んでください。

墓じまいと同時に決める方は墓じまい後の永代供養の費用から、お墓を引き継ぐ人がいない方はお墓がない・継ぐ人がいないときの選び方から読み進められます。

費用を抑えたい方は合祀、迷いが残る方は個別に安置する期間のあるタイプ、分骨を考える方は合祀の前に分骨を済ませる順で選んでください。

よくある質問

合祀と合葬は、同じ意味ですか

同じ意味で使われることが多いものの、ALSOKの解説は厳密には違うとしています。合祀は他の遺骨と一緒にする納め方で、合葬は混ぜずに共同のスペースで供養する納め方と説明されています。一方、Treeの解説は合葬を合祀墓の別名として並べています。呼び名でなく、取り出せるかどうかを施設に聞いてください。

合祀したあと、一部だけ遺骨を取り出せますか

Treeの解説は、合祀後は分骨も改葬も返還もできないとしています。一部を取り出したいときは、合祀の前に分骨を済ませる必要があります。個別に安置されている期間中なら取り出せるタイプもあるため、契約前に期間と条件を確かめてください。

公営の合葬墓は、他の市の住民でも申し込めますか

自治体ごとに違います。東京都の令和8年度の募集では、多磨霊園と小平霊園の2号基は都内に3年以上継続して居住していることが条件です。広島市は市内に住む方が遺骨を持っている場合などが対象です。申し込みたい自治体の募集要項で、年度ごとに確かめてください。


本記事に記載の費用相場は、2026年10月時点で公開されている情報をもとにした目安であり、実際の金額は事業者・寺院・自治体によって異なります。個別の法律判断や税務判断が必要な場合は、自治体の窓口や弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。