入るお墓がない、または新しくお墓を建てるつもりがない遺骨は、6つの納め先から選べます。海洋散骨、樹木葬、納骨堂、合祀型の永代供養、手元供養、自宅での保管です。費用は3万円台の散骨から100万円の納骨堂まで幅があります。6つを「費用・手続き・お参りの形・後から変えられるか」の4点で1つの表に並べました。あなたの条件に合う納め先を絞れます。まず表を見てください。

墓がない遺骨の納め先6つを費用と手続きで比べる

骨壺が手元にあるあいだは、どの納め先も選べます。違いが出るのは、費用よりも「戻せるか」「手を合わせる場所が残るか」の2点です。

納め先費用の目安手続きお参りの形後から変えられるか
海洋散骨3万〜40万円(代行3万〜10万円、合同10万〜20万円、貸切20万〜40万円)粉骨してから業者に依頼海へ出向く。墓参りの場所は残らない散骨した遺骨は戻せない
樹木葬20万〜80万円霊園・寺院と契約区画の樹木やプレートの前タイプで異なる。合祀型は取り出せない
納骨堂30万〜100万円運営者と契約屋内の参拝スペース個別安置のあと合祀が一般的
合祀型の永代供養5万〜30万円寺院・霊園と契約。承継者は不要合同の墓所の前合祀後は取り出せない
手元供養ミニ骨壷19,800円〜、ペンダント22,000円〜分骨する場合は証明書を用意自宅でそばに置いて手を合わせる手元の分は続けられる。残りは別の納め先へ
自宅で保管を続ける納め先の費用はかからない期限を定めた条文は見当たらない。庭などへの埋葬は避ける骨壺の前納め先が決まれば移せる

費用は公開されている掲載額をもとにした目安です。散骨は遺骨供養ウーナ、樹木葬・納骨堂・合祀は行政書士法人Tree(2026年5月23日更新)を参照しました。手元供養は未来創想の公式ストアの税込価格で、期間限定価格を含みます(2026年10月確認)。

6つの納め先は、それぞれどんな形でお参りできますか

海洋散骨

遺骨を粉状にして海にまくので、お墓を持たない選択になります。相場は、代行散骨が3万〜10万円、乗り合いの合同散骨が10万〜20万円です。家族だけで船を貸し切る方式は20万〜40万円とされています。粉骨料は、基本料金に入る会社と、別に1万〜5万円ほどかかる会社があります。散骨後は手を合わせる場所が残らないため、遺骨の一部を手元に残す人もいます。散骨を直接禁じる法律はないとされていますが、条例で規制する自治体があります。方式ごとの内訳は海洋散骨の費用相場で比べられます。

樹木葬

墓石の代わりに樹木や草花を目印にして、霊園の区画へ納めます。費用は20万〜80万円とする解説があり、永代供養がつくプランなら承継者がいなくても供養が続きます。ただしタイプによって金額も取り出しの可否も変わります。合祀型は、納めたあとに遺骨を取り出せません。個別型や集合型は、契約の前に取り出しの条件を確かめておくと安心です。タイプ別の金額は樹木葬の費用相場にあります。

納骨堂

遺骨を建物の中に安置する形で、天候に左右されずお参りできます。費用は30万〜100万円とされています。13回忌・17回忌・33回忌などの一定期間は個別に安置し、そのあと合祀されるプランが一般的です。期間が長いほど費用に反映されます。合祀の時期が個別安置の終わりにあたるため、期間と合祀後の扱いを契約前に確認してください。種類別の公表料金は納骨堂の費用にまとめています。

合祀型の永代供養

他の方の遺骨と同じ場所に納め、供養と管理を寺院や霊園に任せる形です。5万〜30万円と費用を最も抑えやすく、継承者がいなくても供養が途絶えない仕組みがあります。そのかわり、合祀後は遺骨を取り出せず、分骨・改葬・返還もできません。分骨したい場合は、合祀の前に申し出ます。樹木葬との違いは樹木葬と永代供養の違いにあります。

手元供養

遺骨の全部または一部を自宅に置き、そばで手を合わせる形です。ミニ骨壷は19,800円から、遺骨ペンダントは22,000円からが目安です。遺骨を分けるときは、分骨の証明書が必要になる場合があります。ほかの5つと組み合わせやすく、散骨や永代供養のあとに一部だけ残す人もいます。方法と分骨の手続きは手元供養のやり方と費用で扱っています。

自宅で保管を続ける

納め先を決めずに、骨壺を自宅に置き続ける選択です。納め先にかかる費用は発生しません。自宅に置くことに期限を定めた条文は見当たらないとされています。ただし、庭などに埋めると墓地、埋葬等に関する法律に抵触するおそれがあります。墓から取り出した遺骨を自宅に置くとき、改葬許可は必要ないとされています。のちに別の墓や納骨堂へ移すときは、改葬許可が必要です(厚生労働省の見解を紹介した総務省の資料)。湿気対策など保管の手順は遺骨の自宅保管にあります。

費用・お参り・家族の状況で、どの納め先が向きますか

迷ったときは、いちばん譲れない条件を1つ決めると、候補が2つほどに絞れます。

  • 費用を抑えたい人は、合祀型の永代供養(5万〜30万円)か、代行散骨(3万〜10万円)が向きます。どちらも後から戻せません。
  • 承継する人がいない人は、永代供養がつく樹木葬・納骨堂、または合祀型を選ぶと、供養が途絶えない仕組みを使えます。
  • 手を合わせる場所がほしい人は、樹木葬か納骨堂です。散骨を選ぶなら、遺骨の一部を手元供養に回せば、そばに置けるものが残ります。
  • 遠方で通えない人は、遺族が乗船しない代行散骨や、永代供養に任せる形が負担を軽くします。
  • 親族の意見がまとまらない人は、自宅で保管を続けながら話し合う方法があります。

決めきれないときは、取り消せない選択を後に回す

6つのうち、合祀と散骨は一度行うと元に戻せません。自宅保管と手元供養は、納め先が決まるまで続けられ、途中で方向を変えられます。

家族の合意がないまま進めて困るのは、合祀や散骨のあとです。Treeの解説には、親族に知らされないまま合祀が進み、後からトラブルになる例が挙げられています。契約の前に、祭祀に関わる親族へ説明し、書面で合意を残すことが勧められています。

分骨を考えているなら、合祀より前に決めてください。合祀したあとは分骨ができません。納骨の時期で迷う場合は、納骨はいつまでにするかの考え方が助けになります。

納め先を決めたら、契約前に何を確かめますか

見積もりは、総額で比べます。散骨は粉骨料が別になる場合があり、1万〜5万円ほど加わります。永代供養や樹木葬は、年間管理費が必要なプランがあります。管理費がかからない一括払いのプランは、承継者がいない人に向いています。

合祀の時期、取り出しの可否、分骨の可否の3つは、契約書面で確認してください。口頭の説明だけで進めると、後から食い違いが出ます。

費用を抑えて急ぎたい人は、代行散骨か合祀型。手を合わせる場所を残したい人は、樹木葬か納骨堂。まだ心が決まらない人は、自宅保管と手元供養で時間を置く。3つの道筋のどれかから始められます。

よくある質問

遺骨を手元に置いたままでも問題ありませんか

自宅に置くこと自体に期限を定めた条文は見当たらないとされています。避けるのは、庭や山林などに埋めることです。個別の事情は、お住まいの市区町村の窓口で確認できます。

いちばん費用がかからない納め先はどれですか

納め先に支払う費用でいえば、自宅保管がかかりません。納め先へ納めるなら、代行散骨が3万〜10万円、合祀型の永代供養が5万〜30万円です。どちらも後から戻せないため、費用だけでなく家族の合意も確認してから決めます。

納め先を決めたあとで変えられますか

納め先によって異なります。合祀と散骨は変えられません。樹木葬や納骨堂は、タイプや契約によって扱いが違います。契約の前に、取り出しの可否と改葬の条件を書面で確認してください。


本記事に記載の費用相場は、2026年10月時点で公開されている情報をもとにした目安であり、実際の金額は事業者・寺院・自治体によって異なります。個別の法律判断や税務判断が必要な場合は、自治体の窓口や弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。