墓じまいの日取りが近づくと、閉眼供養のお布施はいくら包むのか、封筒にどう書くのか、当日は何を着ていくのかが気になります。石材店にお礼は要るのか、という点も迷いどころです。公開されている解説を見比べると、お墓の閉眼供養のお布施は3万〜10万円が目安とされています。御車代と御膳料は、それぞれ5,000円〜1万円程度が別に必要になる場合があります。この記事では、金額の内訳、表書き、服装、当日の流れ、石材店への対応、菩提寺がない場合の手配を順に整理します。(出典の確認日はいずれも2026年10月13日です)
閉眼供養とは?呼び方は宗派で変わる?
閉眼供養は、お墓に宿るとされる魂を抜く儀式です。墓石から遺骨を取り出して撤去する前に、僧侶に読経してもらうのが一般的な流れです。ヤシロの解説は、「魂抜き」「お性根抜き」とも呼ばれると説明しています。仏教では「閉眼供養」、民間信仰では「魂抜き」と呼ぶ地域が多いとされています。
浄土真宗は、そもそも閉眼供養を行わず、代わりに「遷仏法要」を行うとされています。宗派や地域によって名称も作法も違うため、依頼するときは「墓じまいに伴う法要をお願いしたい」と伝えれば、寺院側が自分の宗派の呼び方で案内してくれます。
なお、閉眼供養は宗教的な儀式で、法律上の義務ではありません。ただ、石材店が閉眼供養を済ませていないと解体を受けてくれないことが多い、とライフドットは書いています。寺院墓地では菩提寺との関係から行うのが一般的なので、実際には墓じまいの工程に組み込んで考えるのが現実的です。
仏壇の閉眼供養を調べている方は、仏壇の処分にかかる費用で別に整理しています。この記事は、お墓の閉眼供養に絞っています。
お布施の相場はいくら?御車代・御膳料はどうなる?
お墓の閉眼供養のお布施は、お仏壇のはせがわ、ライフドットとも「3万〜10万円程度」としています。はせがわは、基本的には普段の法要と同額程度で問題ないとされるものの、お寺によって異なる場合もあると補足しています。
依頼先によって、目安は次のように分かれます。
| 依頼先 | お布施の目安 |
|---|---|
| 付き合いのあるお寺(菩提寺) | 約3万〜10万円(先祖代々世話になっていた場合は10万円近くになることも) |
| ネットで手配する僧侶 | 約3万〜5万円(料金が一律に決まっていることが多い) |
(ライフドット、取得日2026-10-13)
御車代と御膳料は、必要な場合だけ別に包む
ライフドットによると、御車代と御膳料の目安は次のとおりです。
- 御車代: 5,000円〜1万円。僧侶にお墓まで足を運んでもらった場合に渡します。菩提寺の境内にお墓があり移動が不要なら必要ありません
- 御膳料: 5,000円〜1万円。法要後の会食に僧侶が参加しない場合に渡します。僧侶が会食に参加するなら必要ありません
つまり、お布施の総額は「お布施+(必要なら)御車代+(必要なら)御膳料」で考えます。例えばお布施を5万円とし、遠方から僧侶に来てもらって会食は設けない場合、御車代と御膳料を加えた最大でも7万円ほどが準備の目安です。
離檀料は別の費用
寺院墓地の墓じまいでは、お布施とは別に離檀料の話が出ることがあります。はせがわは、離檀料を通常の法要で包む額の2〜3倍程度が目安とし、法律で定められた費用ではなく、感謝の気持ちとして渡すのが通例と説明しています。離檀料の相談の仕方は離檀料の相場と交渉の進め方にまとめています。
表書きと包み方はどうする?
封筒の表書きは、お布施が「御布施」(または「お布施」)、御車代が「御車代」、御膳料が「御膳料」です。この3つは別々の袋に分けて用意します。
ライフドットの手順は次のとおりです。
- 袋は不祝儀袋を使います。コンビニや100円ショップで買えるもので問題ないとされています
- 表書きは「御布施」が一般的です。印字がなければ濃墨の筆ペンなどで書きます
- お札は肖像画が表で上側に来るように入れます。法要の日は事前にわかっているため、新札を使ってもマナー違反にはならないとしています
- 渡すタイミングは供養の前後です。前なら僧侶へのあいさつの際に、後なら説法が終わってから渡すのが無難とされています
注意したいのは、袋の選び方で出典が分かれる点です。ライフドットは不祝儀袋を使うとする一方、ヤシロは白封筒を使い、不祝儀袋は避けるとしています。どちらも「御布施」と書く点は共通なので、迷ったときは郵便番号欄のない白無地の封筒を選び、事前に寺院へ「袋の指定はありますか」と一言聞いておくと確実です。
閉眼供養の服装と持ち物は?
服装も、出典によって見解が分かれます。
- ヤシロ: 施主・参列者ともに平服指定が多いとされています。平服の指定がなければ喪服を選び、僧侶への配慮として、ある程度改まった服装が望ましいとしています。住職に平服でよいか直接確認すると安心とも書かれています
- みんなの永代供養: 閉眼供養の法要を行う場合は喪服を着用するほうが無難としています。一方、身内だけの解体工事であれば平服でも構わないとしています
まとめると、僧侶が墓前で読経する日は喪服か、それに準じる改まった服装が安全です。平服にする場合は、男性は黒・紺・グレーなどダークカラーのスーツ、女性はダークカラーのスーツやワンピースに、低めのパンプスなど歩きやすいものを合わせます(みんなの永代供養)。
持ち物の中心は、お布施(御車代・御膳料を含む)、お墓の掃除道具、お供え物です。お供え物は、ヤシロの解説にある五供(水、供花、飲食、香、灯明)が基本とされています。ごみや供物は持ち帰ります。
当日の流れと、石材店にはどう対応する?
当日の流れ
ヤシロが示す流れは次のとおりです。所要時間は約30分〜1時間とされています。
- お墓の掃除(落ち葉やごみを拾い、墓石に水をかけて拭く)
- お供え物をあげる
- 僧侶が読経し、参列者は合掌して聞く
- 墓主から順に焼香し、最後に墓石へ水をかけて終える
- 会食(任意)
- 墓じまい(当日行う場合は石材店が立ち会う)
僧侶の手配は、閉眼供養の2週間前までに済ませるのが目安とされています。閉眼供養の日取りは、遺骨の取り出しと墓石の撤去日をあわせて調整するため、石材店とお寺の両方に早めに相談しておくと日程が組みやすくなります。手続き全体の順番は墓じまいの手順で確認できます。
石材店の費用とお礼
石材店への支払いは、閉眼供養のお布施とは別の費用です。はせがわによると、墓石の撤去費用(工事費)は20万円程度からで、1平方メートルあたり10万〜15万円程度が目安です。遺骨の取り出しも頼む場合は、別途3万〜5万円程度かかるとされています。石材店ごとに価格が違うため、複数社の見積もりを取って比べることが勧められています。
では、当日のお礼(心づけ)は必要でしょうか。みんなの永代供養は「石屋さんへのお礼は必ずしも必要ではありません」としたうえで、地域によっても異なり、数千円を用意しておくのもよい、と書いています。最近は渡さない人も増えているそうです。見積もりに含まれる工事費とは別の気持ちの問題なので、担当者へ「当日お礼を渡したほうがよいか」と事前に聞いておくと迷いません。
菩提寺がない場合は、誰に閉眼供養を頼む?
公営墓地や民間霊園にお墓がある場合、付き合いのある寺院がないこともあります。ヤシロによると、民間霊園では霊園に相談するか、自分で僧侶を手配します。公営墓地では自分で手配し、僧侶派遣サービスなどを使う形です。
ライフドットによると、閉眼供養は寺院墓地だけでなく、公営墓地・民間墓地でも必要とされています。付き合いのある寺院がない場合は、墓じまい業者に相談すると僧侶を紹介してもらえることもあるようです。ネットで手配する僧侶の目安は、先ほどの表のとおり約3万〜5万円で、料金が一律に決まっていることが多いとされています。依頼前には、御車代や御膳料が別料金かどうかを確かめておきましょう。
閉眼供養のあとの遺骨の行き先は墓じまい後の遺骨の行き先で比較しており、納骨堂は納骨堂の費用、永代供養の注意点は永代供養で後悔しないためにも参考になります。
よくある質問
御車代と御膳料は毎回必要ですか?
必要な場合だけです。菩提寺の境内にお墓があって僧侶の移動がなければ御車代は要らず、僧侶が会食に参加するなら御膳料も要りません(ライフドット)。会食を設けない場合に御膳料を渡すかどうかは、事前に寺院へ確認すると確実です。
お布施が相場より少なくなりそうなときは、どうすればよいですか?
金額は地域や宗派、寺院との付き合いの深さで変わります。はせがわは、基本的には普段の法要と同額程度で問題ないとされるものの、お寺によって異なる場合もあると説明しています。迷うときは、菩提寺に直接たずねるか、親族の経験を聞いてから決めると安心です。
閉眼供養は墓じまいの当日にまとめて行えますか?
当日にまとめて行う方法もあります。ヤシロの流れでも、読経の後に会食を挟んで墓じまいを行うかたちが紹介されています。その場合は、石材店の作業時間と僧侶の予定を揃える必要があります。別日にする場合も含め、日取りは寺院と石材店の両方に相談してください。
本記事に記載の費用相場は、2026年10月時点で公開されている情報をもとにした目安であり、実際の金額は事業者・寺院・自治体によって異なります。個別の法律判断や税務判断が必要な場合は、自治体の窓口や弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。