生前整理の費用はいくらかかるのか、業者に頼むか自分でやるかで迷っている方は少なくありません。結論として、業者にまるごと頼む場合の目安は、1K〜1LDKで3万〜10万円程度、4LDK以上で15万〜60万円程度です。自分で進めるなら、費用の中心は自治体の粗大ごみ手数料で、板橋区なら布団1枚が400円です。この記事では、間取り別の費用、遺品整理との違い、自分でやる手順、業者選びの確認点、親への声かけを整理しました。まず間取り別の表から確認してください。
生前整理を業者に頼むと費用はいくらかかりますか
業者にまるごと頼む場合、費用は間取りと荷物の量でほぼ決まります。行政書士法人Treeの生前整理ガイド(2026年5月23日更新)は、間取り別の目安を次のように示しています。
| 間取り | 費用の目安 | 作業時間の目安 |
|---|---|---|
| 1K〜1LDK | 3万〜10万円程度 | 2〜4時間程度 |
| 2DK〜2LDK | 5万〜20万円程度 | 3〜8時間程度 |
| 3DK〜3LDK | 10万〜40万円程度 | 5時間〜1日程度 |
| 4LDK以上 | 15万〜60万円程度 | 1〜2日程度 |
同じガイドは、物の量、搬出の難易度、特殊清掃の有無で金額が変わるとしています。
別の事業者の目安もあわせて見ておくと、幅がつかめます。「おいくらマガジン」(運営は株式会社マーケットエンタープライズ、2026年7月27日更新)は、生前整理業者の費用を1部屋で3万円前後と紹介しています。家全体では50万円以上かかる場合もあるそうです。
片付けの作業はせず、助言だけを受ける方法もあります。「生前整理アドバイザー」は、相談1時間あたり5,000円前後が目安です。一般社団法人生前整理普及協会が認定する民間資格で、仕分けや気持ちの整理の相談に乗ってもらえます。片付けや搬出は頼めないため、作業は自分か別の業者が担います。
表の金額は見積もり前の目安です。実際の金額は、訪問見積もりで荷物の量と搬出経路を見てもらってから決まります。
遺品整理と比べて、生前整理は費用を調整しやすいですか
生前整理は、本人が元気なうちに行う整理です。遺品整理との違いを、Treeのガイドをもとに並べます。
| 項目 | 生前整理 | 遺品整理 |
|---|---|---|
| 実施する人 | 本人 | 遺族・相続人 |
| 時期 | 存命中 | 死亡後 |
| 目的 | 家族の負担軽減と本人の意思の反映 | 遺品の処分と相続手続き |
| 本人の意思 | 直接反映できる | 遺族の判断に委ねられる |
最大の違いは、本人がその場で「残す・手放す」を決められる点です。遺族が判断に迷った物を、業者に一括で任せる場面が減ります。
もうひとつ、実務上の違いがあります。遺品整理は賃貸の明け渡しなど、日程が先に決まることが多い作業です。生前整理は期限がなく、週末に1部屋ずつ進められます。自分で減らせる分を先に減らしておけば、業者に頼む範囲は小さくなり、見積もりのレンジの下側に収めやすくなります。
亡くなった後の遺品整理の金額は、遺品整理の費用相場に間取り別でまとめています。
生前整理を自分でやると、費用はどのくらいですか
自分でやる場合の費用は、ごみ袋や段ボールの購入費と、自治体の粗大ごみ手数料が中心です。業者に払う作業費はかかりません。
自治体の粗大ごみ手数料はいくらですか
手数料は自治体ごとに決まっています。東京都板橋区の例では、区が収集する場合、布団が400円、扇風機が400円、1人用ソファが900円です(2026年4月1日更新)。
区民が自分で持ち込む場合は、収集の半額になります。布団なら200円です。持ち込みは板橋区民のみ、事前申し込みが必要です。
ほかの自治体は金額も申し込み方法も違います。お住まいの市区町村のサイトで、品目ごとの手数料を確かめてください。
テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど、家電リサイクル法の対象品は粗大ごみとして出せません。Treeのガイドも、対象品は粗大ごみに出せないと案内しています。
自分で進める手順は5ステップです
Treeのガイドが示す手順は、次の5つです。
- 整理する範囲を決める。小さな範囲から、物が集中する場所を選ぶ
- 持ち物を「必要」「不要」「保留」に分ける
- 不要品を処分する。リサイクルショップ、粗大ごみ、不用品回収業者から選ぶ
- 口座、保険証券、権利証、年金関連の書類を一覧にする
- 保管場所を家族に伝える
迷った物は保留に回し、1〜3か月使わなければ処分を考える、という基準も紹介されています。
最初の1か所に迷ったら、玄関から廊下、トイレまでの通り道を空ける方法が進めやすくなります。進め方は実家の片付けは何から?に書いています。スマホやサブスクの整理はデジタル遺品の整理方法で確認できます。
業者に頼む前に、何を確認すればよいですか
業者に頼むと決めたら、契約の前に次の4点を確かめてください。
- 一般廃棄物収集運搬業の許可があるか
- 買取も頼むなら、古物商許可があるか
- 見積書の内訳が品目や作業ごとに書かれているか
- 3社以上の見積もりを訪問で取ったか
横浜市の案内は、お金を払って不要な物の処分を頼むなら、業者が一般廃棄物収集運搬業の許可を持つか必ず確認するよう求めています。無許可の業者への依頼は違法で、不法投棄の事例があると説明されています。市のサイトでは、許可業者の一覧も公開されています。対象は遺品整理だけでなく、家の片付け全般です。
家の中の物を買い取ってもらうなら、古物商許可も必要です。横浜市の案内にも、業者に確認するよう書かれています。
見積書は、合計額だけでなく内訳を見てください。おいくらマガジンは、「作業一式○○円」とだけ書かれた見積書は、あとから別料金を請求されるおそれがあると指摘しています。同じ記事は、最低3社の相見積もりと、現地に来てもらう訪問見積もりを勧めています。Treeのガイドも、追加料金が出る条件を事前に説明してくれる業者を選ぶよう案内しています。
契約トラブルの事例と対処は、遺品整理業者のトラブルにまとめています。
親に生前整理を勧めるときは、どう声をかければよいですか
ここからは実務上の助言です。切り出す言葉を変えるだけで、親の受け取り方は変わります。
- 「片付けて」ではなく「探し物が減るように、引き出し一段だけ一緒に見よう」と伝える
- 「いる・いらない」を聞かず、「残したい物はどれ?」と親に優先順位を決めてもらう
- 費用の話は最初に出さず、まず一緒に1か所を終わらせる
- 通帳、保険証券、権利証の置き場所は、「もしものときに私が探せるように」と目的を添えて聞く
帰省のたびに「今日は1か所だけ」と区切ると、親の負担が小さくなります。親が選んだ物は必ず残すと先に約束しておくと、子どもが勝手に捨てるのではないかという不安も減ります。
親が強く嫌がるときは、その日は引き下がって大丈夫です。切り出し方の例は実家の片付けは何から?にも載せています。
自分でやるか業者に頼むか、どう決めればよいですか
判断の目安は、荷物の量、搬出の難易度、使える時間の3つです。
1〜2部屋分の荷物で、週末に動ける時間があるなら、粗大ごみ手数料で進められます。1部屋なら、業者の目安も3万円前後からです。迷うときは、表の金額と自分の作業時間を見比べてください。
3LDK以上の家、階段しかない上階、家電や家具が多い家は、搬出の負担が大きくなります。Treeの表では、3LDKまでで10万〜40万円程度、4LDK以上で15万〜60万円程度が目安です。まず訪問見積もりで3社を比べてください。
時間に余裕があり、少しずつ進めたい方は、自治体の粗大ごみから。搬出が難しい家の方は、許可を確かめたうえで訪問見積もりから。親に切り出す段階の方は、引き出し一段を一緒に開けるところから始めてください。
よくある質問
生前整理アドバイザーだけに頼むといくらかかりますか
相談1時間あたり5,000円前後が目安です(おいくらマガジン、2026年7月27日更新)。助言が中心で、片付けや搬出の作業は依頼できません。作業まで頼む場合は、業者の見積もりが別に必要です。
粗大ごみは持ち込むと安くなりますか
自治体によります。板橋区は、区民が自分で持ち込むと収集の半額で、布団なら400円が200円です。事前申し込みが必要で、持ち込めるのは区民のみです。お住まいの自治体の案内を確かめてください。
許可のない業者に頼むとどうなりますか
横浜市の案内では、無許可業者への処分の依頼は違法とされ、不法投棄の事例が挙げられています。契約前に一般廃棄物収集運搬業の許可を確認し、市区町村が公開する許可業者の一覧とも照らし合わせてください。
本記事に記載の費用相場は、2026年10月時点で公開されている情報をもとにした目安であり、実際の金額は事業者・自治体・お住まいの状況によって異なります。個別の法律判断や税務判断が必要な場合は、自治体の窓口や弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。